交通事故で顔に傷が残った場合
1 外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)とは
顔に瘢痕(はんこん)が残ってしまうことを「外貌醜状」と表現します。
交通事故で、顔に傷が残ってしまった場合で、自賠責の基準に該当する場合には、その傷の大きさ、長さ、面積等に応じて、12級14号、9級16号、7級12号という等級が認定される可能性があります。
どういう場合に、どの等級が認定されるかという基準は以下のページをご参照ください。
参考リンク:後遺障害サポート・外貌(頭部)の醜状障害
2 事故後しばらく治療を続ける
外貌醜状の治療については、皮膚科や形成外科などで診てもらうとよいです。
必ずしもその診療科だけに限らず、整形外科でも診てもらえるのであれば、整形外科で診てもらっても構いません。
交通事故の後しばらくは通院を続け、傷を治療していくことが大切です。
3 症状固定の時期、後遺障害申請の時期について
後遺障害の申請をするタイミングは、一定期間の治療を続けても傷が残り続け、これ以上治療をしても良くならないという状態になったときです。
例えば、事故からわずか3か月で後遺障害を申請しても、自賠責の担当者が「まだ治療を続ければ、傷が治っていくのではないか」と判断し、時期尚早として後遺障害が認定されない可能性が高いでしょう。
もちろん傷の状態や具合にもよりますので、一概にはいえませんが、おおむね事故から半年以上治療を続けても傷が残ってしまうと医師が判断するようであれば、症状固定にしてもらって、後遺障害の申請をしていくとよいと思います。
他の後遺障害がある場合には、その後遺障害申請と一緒に申請してもいいですし、先に外貌醜状だけの申請でもよいと思います。
4 外貌醜状の逸失利益について
顔の傷で実際に後遺障害等級が認定された場合、外貌醜状だけで、労働能力が喪失するかという問題があります。
例えば、容姿が重要視される職業(芸能人、アナウンサー、モデルなど)であれば、顔に傷が残っていることで仕事に影響が出てしまうことは容易に想像できますが、それ以外の職業に関しては、すべての場合に、顔に傷があることだけで、労働能力に影響が出て収入が減少してしまうことが考えにくい場合もあります。
この点に関しては、具体的なケースに応じて弁護士の説明が必要になってくると思いますので、詳細は、弁護士までご質問ください。
後遺障害が認定されるまでの手順と期間 高次脳機能障害で弁護士をお探しの方へ